情熱の住処
「会いたい」とは言わない。
「今から行く」。
「来て欲しい」とは言わない。
「来たいなら来れば」。
「好き」だとは言わない。
「好かれてるのは知ってた」。
だから、私があなたの分まで言う。
会いたい。
行きたい。
大好き。
そうやって、夜は二人ずっと抱き合って眠る。
朝になって何度もキスをして別れる。
それが、彼の情熱。
私の情熱。
モーニングコール
そうか。
明日からは自分で起きなきゃなんだ。
ひとつ、ひとつ、今まで当たり前だと思ってたことに気づかされるんだ。
歓楽街にて
帰り道。いつもの道。卑猥な言葉、お店に誘う人、誘われる人。
終わりの季節
知らない服を着ていた。
そうか、季節が変わったんだ。
春に出会って、夏を過ごし、もう秋になっていた。
秋の深まる中、さすがに衣替えしたんだね。
そんなことをぼんやり思いながら、彼が話すのを見ていた。
うん。わかってたよ。
大丈夫。泣いたりも、責めたりも、取り乱したりもしない。
彼はちょっと驚いたような表情をして、でもまた、辛そうな顔に戻った。
そんな演じる必要ないのに。
さようなら。
私も本気で好きだったのだろうか?
いつもいつも会いたくて、会えると愛してるって言って来たけど、全部本当だったんだろうか?
彼が立ち去った浜辺。
冷たい風の中、海に向かって行く人をぼんやりと眺めていた。
かなり
想定内であったけれども、やっぱり現実をつきつけられると、ダメージが大きかった。
書く事で、消化する。
消化して、きっと、
これも、
いつかは、
こやしに。
泣きたいこと
泣きたいことなんか、
何一つないはず。
だけど、今は声をあげて
泣きたい。
胸のつかえをとるように
わんわん泣きたい。
ほんの
それは、
晴れた空だったり
暖かい風が吹いたり
たった、
そんなことが、
ちょっと
うれしくて