梅が咲いていた。はっとした。遠い過去、果たせなかった約束を思い出した。そうやって、いつだって、悲しみは突然襲ってきたりする。

あまりにも、その道程は長い。

食べたくもないのに、食べる。何か変わる訳でもないのに、ただ、自分を？食べ物を？作ってくれた誰かを？苛めるみたいに。ただ、食べる。

真っ青な、冷たい空。燦々と注ぐ陽の光にも溶けない氷。まだ、まだ、ちゃんと、冬。冷たい冬の朝にほっと、する。

身体が悲鳴をあげてる。でも、まだ、大丈夫。これから、愛のために。一晩かけて。

夜中に電話がかかる。小さい声が聞こえる。切れないように、懸命に応える。生きている意味をくれる。大切なひと。電話が切れた後、満ち足りたような、切ないような、複雑な余韻に包まれる。生きている幸せ。そして、それが、いつかは終わること。暗い部屋で…

どんより暗い冬の空。暦では春になるそうだ。胸につかえが出来た。それは、小さな事から始まったのだけれど、そのつかえが外れない。つかえは少しずつ、胸にのびて、もう、外れないくらいになってきた。あの人の事を理解してあげたいけれど、私のことも、気…